2つのコロナウィルス対策委員会(米国大統領選挙2020)

歴史的な選挙での勝利から開けて月曜日、バイデン次期大統領がしたことは、彼の次期政権が運営するコロナウィルス対策委員会の立ち上げだった。もちろん彼はまだ大統領ではないので、この対策委員会は現段階では米国の政府とは関係のない彼の個人的な活動となり、政権交代への準備の一環にすぎない。

先日日記に記載したように、実際に政権が交代する日程は来年の1月20日、つまり10週間以上先であり、米国の新規感染者が一日10万人を超えている現状への対応がまったく見込まれていない現政権のコロナウィルス対策委員会から、少しでも早く国民の関心を新しい政権の新コロナ対策に目を向けてもらうための大胆なパフォーマンスだといえる。

彼は会見で、彼の対策委員会は科学と専門家の情報によって運営されることを強調し、政権交代と同時にやってくるであろう今とは全く違う感染防止政策への布石を敷き始めている。今の感染状況を考えれば、最初の政策は非常に厳しいものになる可能性があるので、今から国民にある程度の覚悟を準備してもらう狙いもあるのだろう。

実は、昨日から今日にかけてワクチン開発で非常によいニュースがあった。最も開発が進んでいるワクチンの1つの最新のテスト結果によると、ワクチンの予防率がなんと90%に登ることがわかったというものだ。通常のインフルエンザワクチンの予防率が50%ぐらいだと考えられていることを知っていれば、この予防率が非常に高いことがわかる。もちろん、テストデータは第三者によって慎重に検証されるべきであるとはいえ、明るいニュースであることには違いない。

バイデン氏は、会見でこのニュースにも触れた。確かに素晴らしいニュースであるが、同時に開発している会社の発表によりすでにわかっているように、今後のプロセスが問題なく進み認可されたとしても、来年3月までに配布できるワクチン数は米国民の15%ぐらいにすぎない。しかし、私達には今すぐにでも、感染を減らすことを可能にする対策がある。マスクをすることである。バイデン氏はごく普通の市販のマスクを手に壇上に登り、共和党員でも民主党員でもなく、アメリカ人を救うためにマスクをしようと会見で語る姿がメジャーなマスコミを通じて大きく報道された。

彼の対策委員会はメジャーなマスコミのバックアップを受けて、既に国民への働きかけを始めようとしている。対するホワイトハウスは、今日一日中とても静かだった。選挙に対する法的処置や以前から大統領と対立していた国防長官の解任などのニュースはあったものの、ウィルス感染拡大についてのコメントや対策はなかった。

ホワイトハウスのコロナウィルス対策委員会は、今年の後半に入ってからその活動が消極的になり、エピデミック初期に冷静な分析と対応により脚光を浴びたビークス博士やファウチ博士は未だその一員であるにもかかわらず、対策委員会の公式会見の場に登場することはほぼなくなっていた

彼らは変わりに、州を飛び回って州政府にアドバイスを与えたり、各種マスコミのインタビューを受けたりしているのだが、彼らのマスコミへの登場はホワイトハウスの許可が必要であるため活動には制限がある。今日はどこのマスコミにも登場しなかったようだった。彼らは今日の新しい対策委員会の発足のニュースを見て、なにを考えただろうか。

やっと彼らの主張と同様に科学を基本にウィルス対策をする政権が誕生し、対策委員会が発足したことに安堵しているだろうか。自分たちはそちらの対策委員会の一員ではなく、彼らの意見を無視し続ける現政権の対策委員会の一員であることに悔しさや歯がゆさを感じているだろうか。

どちらにしても、これまでニュースを読み続けてきた私達は、ビークス博士やファウチ博士が感染を食い止めようと可能な限りの努力をしてきたことを知っているし、尊敬している。現政権が幕引きをすると考えられている1月20日以降も、彼らにはこれまでと変わらず精力的に働いてほしい。現状では彼らの意思にかかわらず対立する形になってしまっている新しい対策委員会だが、1月20日以降、政治的側面から開放された科学者たちは同じ方向性をもつ大きな動力となっていってほしいと思う。

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